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7月15日
ミュージカル座「ひめゆり」
シアター1010
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太平洋戦争末期、国内唯一の地上線となった沖縄での悲劇を、全編41曲の歌で綴ったこのミュージカルは、戦争の悲惨さ、決して忘れてはならない戦争の事実を訴えかけます。
「ひめゆり学徒隊」として南風原陸軍病院へ動員された10代の女学生たちはまだあどけなさが残り、愛おしい存在。そんな彼女たちが次々と戦争の犠牲になっていく姿に、胸が締め付けられました。
沼尾みゆき演じる上原婦長の、優しくも力強い歌声も印象的です。常に死と隣り合わせの戦場でも、学徒たちを勇気付け気丈に振る舞う婦長の姿は、まさにナイチンゲールそのものでした。
またこの作品は、振り付けが変わったり、映像を使った演出が増えたりと、年々進化しています。ミュージカルだからこそ表現できるこの恐ろしさ、気迫、緊張感、ぜひ劇場で体感してください!(吉枝)
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#ミュージカル #ひめゆり #ミュージカル座 #舞台 #観劇
ニンゲン御破算 7月1日14:00公演
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みなぎるパワー、耐えない笑い。松尾スズキさんの創り出す独特の世界観の虜になりました。
話に勢いがあるのに観客をおいてきぼりにしない工夫がすごく感じられて物語に入り込みやすかったです。役者さんたちも体を張っていて、アドリブなのかセリフなのか分からないくらいにアドリブも面白かったです!
いつだって人の評価が欲しい、とにかく生きたい、など笑いの中にも強いメッセージ性があり3時間はあっという間でした。何度でも観たい作品の1つです(見上)
#ニンゲン御破算 #松尾スズキ#大人計画 #阿部サダヲ#岡田将生#多部未華子#荒川良々 #皆川猿時 #観劇#bunkamura #シアターコクーン #レポート#観劇記録
2018.6.30 11時公演 『ANOTHER WORLD 』『Killer Rouge』
@東京宝塚劇場
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「地獄八景亡者戯」をはじめとする数々の落語噺をベースにした「ANOTHER WORLD 」。恋患いであの世へやってきた康次郎(紅ゆずる)とお澄(綺咲愛里)を中心とした多くの個性豊かなキャラクターが繰り広げる啊啊大笑の落語ミュージカルです。
拍子木の"チョン"という音に続いて照明が"パッ"と点灯する、宝塚の日本物ならではのチョンパから始まり、客席は大盛況。
あの世で康次郎とその仲間達が生き生きと冥土見物を楽しんでいる様子が何ともコミカルでした。長広舌に関西弁で台詞を話す康次郎という役は、まさに紅ゆずるの真骨頂です。また、照明を巧みに操り五色の雲を表現するなど、あの世の風情が至妙に醸し出されていたのはあっぱれでした。
宝塚歌劇団の強みの1つは、ミュージカルだけでなくオペラや漫画、落語に至るまで様々なジャンルを開拓してきたことなのだと改めて感じさせられた1作です。
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そして「Killer Rouge」。紅ゆずるの「紅」をモチーフにした、情熱的でダイナミックなショーです。
半年後に台湾でも上演される演目であり、「今の日本の文化を伝える」という演出家 齋藤吉正の言葉通り、人気歌謡曲やアニメソングなどがふんだんに使用されています。また、104期生の初舞台でもある本公演では、ラインダンスの場面で「桜」が登場するJ-POPがメドレー形式にアレンジされていました。日本を代表する花として、また初舞台生の門出を祝うために桜を散りばめる粋な演出は見事なものでした。
テーマソングの1フレーズに合わせて観客が振りをするよう舞台上から促されるなど客席参加型で、大いに盛り上がっていました。
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抱腹絶倒なお芝居・躍動的でパッションを感じずにはいられないショー。熱気溢れる星組公演でこの夏を感じてみては如何でしょうか。(古門)
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#ANOTHERWORLD#KillerRouge#東京宝塚劇場#谷正純#齋藤吉正#紅ゆずる#綺咲愛里#宝塚歌劇団#星組#舞台#観劇#劇評
『銀河鉄道999galaxyopera』6月29日18:30公演
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あの有名な銀河鉄道999の実写化舞台を観劇してきました💫🚇✨
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永遠ってなんなんだろう。生きるって命ってなんなんだろう。人間のあるべき姿ってなんなんだろう。
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幻想的な銀河鉄道999の世界観を照明や映像で表しつつ、メッセージ性の強さは失われていない。とても魅力的な作品でした。
また、役者の演技力と歌唱力がとにかく高く、今までの2.5次元作品という枠を超えるものを感じました。
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原作アニメ公開は40年前。40年経った今でもなおパワーを持ち心に語りかける物語であり、現代社会の問題や闇に触れているようでした。例えばAIや医療技術の発達に関連付けられるんじゃないかなと。
きっとこの作品は何年経っても色褪せないのだと思います。そして、大人はもちろん、その時代時代を生きる若者たちにぜひ観て頂きたいです。(見上)
#銀河鉄道999 #銀河鉄道999galaxyopera #galaxyopera #中川晃教 #凰稀かなめ #ハルカミライ #ハルカ#平方元基 #染谷俊之 #美山加恋 #矢沢洋子 #塚原大助 #雅原慶 #小野妃香里 #入野自由 #ミュージカル#実写化#25次元 #明治座 #観劇#観劇記録#レビュー
Nestaの吉枝さんと観劇してきました!
彩の国さいたま芸術劇場「ジハード」 6.26.2018 19:00公演
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あなたは、「ジハード」という言葉を聞いてどう感じますか?怖い、テロ、戦争...... きっとそんなネガティブなイメージしかわかない。私もそうでした。だから、プロローグで投げかけられた言葉には衝撃を受けました。
「ジハード」の本当の意味は一生懸命頑張ること、奮闘すること。そして、この言葉を愛して欲しい、と。
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イスマエル、ベン、 レダの3人はシリアでの戦争に向かうために生まれ育ったベルギーを旅立ちます。ベルギー社会ではアラブ人というだけで差別され、ムスリムコミュニティからはイスラムの教えに反する(絵を描く、ユダヤ人の歌を歌う、ムスリムでない女性を愛する)だけで疎外される。居場所のなくなった3人が唯一必要とされていると感じた居場所、それがシリアでした。でも、戦争に参加していくうちに、彼らの自我は崩壊していきます。今まで、異教徒は敵だとしてきたムスリムの教え、シリアに行けば居場所があると思ってきた楽観的な自分、全てがガラガラと崩れ去る。1人、また1人と死んで行く極限状態の中で、3人が考えたこととは。そして、イスマエルの下した決断は—
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ジハード、イスラム教、戦争というととても遠いお話のように聞こえてしまいますが、登場する3人は漫画や音楽が好きで、恋に悩む普通の現代の若者。そして、それを日本人の3人が演じていることで3人がとても身近に感じられます。またセットや小道具に戦争を感じさせるものがほとんどなく、これは本当にシリアなのか、戦地なのかという錯覚に陥ってしまうほど。3人の旅路を見て私は、家族、ムスリムコミュニティ、ベルギー社会、全てに見捨てられた彼らを最後にぎゅっと抱きしめてあげたくなりました。
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あまり言葉で語りつくさないほうがいいのかもしれません。でも、きっとこれを見た人は、シリアをただの遠い国の話だと、シリアの戦争に参加する若者たちを、祖国に居場所がないからシリアに逃げたのか、と片付けてしまうことは絶対にできなくなります。近くて遠い3人の若者たちの物語。彼らの「ジハード」を見て、あなたはどう感じるでしょうか。ぜひ劇場でご観劇ください。(杉下)
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#nesta #シバード #彩の国さいたま芸術劇場 #世界最前線の演劇 #さいたまネクストシアター0 #堀源起 #竪山隼太 #鈴木彰紀 #小久保寿人 #演劇 #観劇 #劇評
2018/06/24  12:00公演
@シアタークリエ
「シークレットガーデン」(上垣、鈴木)
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今回、全幕を通して、慈愛に満ちたような、どこか幻想的な空気を感じました。

バーネットによる小説をもとにメアリーの伯父アーチボルドとその亡き妻リリーに焦点を当てています。
アーチボルドはリリーを亡くした現実を受け入れられず、息子コリンを愛しながらも顔を合わせることを避け続け、リリーの愛した庭も閉ざしてしまいます。そんな彼がリリーの面影を写したメアリーを引き取ったことから、ゆっくりと、屋敷全体が変わっていきます。

生演奏による音楽はとても、とても美しく、リリーを初めとする死者の霊たちは優しく、時に哀しげに生者たちを見守ります。特にリリーは、まるで聖母のようにアーチボルドとメアリー、コリンを導きます。彼らは、姿は見えなくても私たちはここにいるよと静かに観客に訴えかけます。
もちろん、コリンとメアリー役の子役たちの体当たりの演技にもご注目下さい!

観劇後、私も一時、秘密の花園に迷いこんだような不思議な感覚になる、本当に美しく、幻想的な世界でした。
シアタークリエで7/11まで公演した後、地方公演も行うようです。この美しい空間に迷いこんでみてはいかがでしょうか?(小野)

#観劇#レビュー#シアタークリエ#シークレットガーデン#秘密の花園#ミュージカル#花總まり#石丸幹二#石井一孝#おけぴ#おけぴ観劇会#舞台
2018/6/23
都立総合芸術高校「ヴェニスの商人」
東京芸術劇場 シアターウエスト
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ヴェニスの商人アントーニオは、親友バッサーニオの「ベルモントの富豪の娘ポーシャに求婚する為に先立つものが欲しい」という願いを聞き入れ、ユダヤの金貸しシャイロックに借金をする。シャイロックは、万が一期日までに返済をしなければ、アントーニオの肉1ポンドを切り取るという条件を出したが、簡単に返済できると考えたアントーニオは承諾する。その資金をもとに、バッサーニオはポーシャを射止める。そこに、アントーニオの船が難破し、借金返済ができなくなってしまったという知らせが届く。裁判には、裁判官に変装したポーシャ(バッサーニオの妻)とその女中が出廷し、シャイロックの証文を逆手に取り勝訴し、アントーニオの命は救われる。シャイロックは、アントーニオを殺そうとした罪に問われ、財産没収は免れるものの、キリスト教への改宗を命じられる。
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この作品では、宗教、恋模様、裁判、友情、復讐…さまざまな要素が複雑に絡み合っていた。終演後、これは“喜劇”なのか?としばらく考えてしまった。喜劇的結末の裏には、悲劇的結末で終わったシャイロックの存在があり、宗教に限らず、今世界で起きている様々な“対立”と重なる部分があった。
またこの作品は、ほとんどの役がダブルキャストで、前半と後半で役者が入れ替わる。前半、知的で理性的なポーシャ。後半、機転も利き、いたずら好きなポーシャ。同じ役でもそれぞれの個性が存分に発揮されているところも見どころだった。(吉枝)
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#演劇 #舞台 #ヴェニスの商人 #シェイクスピア #東京芸術劇場 #総合芸術高校 #総芸 #観劇
2018/6/1  18:30開演
@新国立劇場中劇場
ヘンリー五世
――――――――――――――― シェイクスピアのヘンリー五世。
2009年のヘンリー六世、2012年のリチャード三世、2016年のヘンリー四世と、新国立劇場で行われてきた、ほぼ同じキャスト、スタッフによるシェイクスピア歴史劇のシリーズ。
ヘンリー五世は、若い頃放蕩三昧をしていた彼が、慕われる王となり、フランスに攻め入り、勝利するまでの話です。
シェイクスピアの歴史劇は、そのままイギリスの歴史でもあるため、日本人にとっては馴染みが薄い。そんな中、歴史劇を丁寧に描いてくれるこのシリーズは貴重でしょう!

といっても私は今回が初めての観劇。前後のイギリス史を頭に入れずに観てしまったため、登場人物の名前と関係性に多少混乱してしまいました…が、それでも旗や服で分かりやすくフランス軍、イギリス軍が表され、十分に分かりやすいです。
役者さんの間の取り方がみな上手く、一歩間違えれば堅苦しいものになってしまいそうなこの題材で、要所要所の空気を和らげ、観客の笑いを誘っていました!
特にウェールズ出身の訛りのある、騎士フルーリエン役の横田栄司は舞台に奥行きを与えてくれていました。
主人公ヘンリー五世は、前作ヘンリー四世で放蕩者のハル王子(若きヘンリー五世)を演じた浦井健治。王として堂々と国を治めながらも1人の人間として苦しむ姿が印象的でした。

それから、気になったのは旗です。旗は誇りか勇気の象徴でしょうか?華美な鎧や馬を自慢し、驕りながら剣で戦うフランス軍に対し、イギリス軍は王自ら白かった服を血で赤く染め、剣の代わりに旗を振るって戦います。
自慢している場面くらいから後ろに下げられたフランスの旗はボロボロです。
誇りや勇気のみで戦い、勝利したイギリス軍と、数の利や軍備に驕り、誇りを見失って負けたフランス軍、といった構図を強く感じます。
また、フランス王が王宮にいる場面。彼の頭上すれすれにイギリスの旗が降りてきます。迫り来るイギリス軍が強く予感されました!
シンプルなセットだったからこそ、旗の持つ意味が強く語りかけてきました。

是非もう一度、歴史を学び直してから観てみたい、そう思いました。これまでの作品を見逃したことが悔やまれます。
ヘンリー五世は残念ながら本日閉幕してしまいましたが、なかなか貴重なシェイクスピアの歴史劇、機会があれば皆様もぜひご覧ください!(小野)

#劇評#観劇#舞台#演劇#レビュー#新国立劇場#ヘンリー5世#シェイクスピア#浦井健治#鵜山仁#岡本健一#中嶋朋子
2018.6.1 13時30分公演 東京宝塚劇場『天は赤い河のほとり』『シトラスの風-sunrise-』
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今回の東京宝塚劇場 宙組公演は、人気少女漫画をミュージカル化した『天は赤い河のほとり』、演出家岡田敬二のロマンチック・レビュー第20弾『シトラスの風-Sunrise-』です。
お芝居は、ヒッタイト帝国第三皇子カイル(真風涼帆)と、古代オリエントにタイムスリップしてしまった現代の女子高生鈴木夕梨(星風まどか)の恋愛模様を中心とした優美で壮大な歴史ファンタジーです。
エジプトやミタンニとの対立をはじめとする古代オリエントの世界観が巧みに作り上げられている様子が印象的でした。
ショーは、宙組で再演が重ねられている『シトラスの風』に新しいテイストを加えたスペシャルバージョンです。このショーの名場面の一つ「明日へのエナジー」では、新生宙組のフレッシュでありながらも力強いコーラスとエネルギッシュなダンスは圧巻でした。

真風・星風、2人のトップコンビを中心とした新生宙組、これからどんな色を出し成長していくのか期待が膨らみます。(古門)

#天は赤い河のほとり#シトラスの風#宙組#真風涼帆#星風まどか#東京宝塚劇場#小柳奈穂子#岡田敬二
帝国劇場 ミュージカル『モーツァルト!』5/26/2018 17:45公演(山崎、平野、涼風、大河原)
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天才音楽家として名高いヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの一生を描いた作品。2002年の初演から再演を重ね、新演出版となった2018年公演が幕を開けました!
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この作品を通してのテーマの1つであるのがヴォルフガングの類いまれなる才能。もう1人の自分、そして才能の化身として描かれるアマデの存在はあまりにも有名ですが、今回の新演出版ではヴォルフガングの才能をより際立たせる新たな変化が。舞台中央に設置された巨大なピアノのセットは神が与えたとしか考えられないヴォルフガングの奇跡的な才能、そしてその音楽から一生逃れられないヴォルフガング像をより明確に描きだします。このセット、演出家の小池修一郎氏がずっとやりたかった舞台装置だそうです。
自分の才能を愛し、でもそれを自分のためにしか使うことができず、ヴォルフガングはその才能に振り回されていく、、、。モーツァルトは1人の天才である前に、自信と不安、希望と絶望を持ち自分の人生を生きようともがいた1人の人間だった。山崎育三郎演じるヴォルフガングの苦悩に満ちた最期の叫びは圧巻でした。
そして、その超人的なヴォルフガングの才能とは対照的に、いや対照的だからこそ、この作品は普遍的な家族と愛の物語であるように見えます。自分の周りの人が大好きなのに、才能のために彼らを大切にできなかったヴォルフガングを、すれ違いながらも最期まで大切に想い続けた父レオポルト、姉ナンネール、そして妻コンスタンツェ。彼らの暖かさに、観劇後、私は心が洗われたようなとても優しい気持ちになりました。
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ミュージカル『モーツァルト!』は6月28日まで帝国劇場で、その後は大阪、名古屋で上演されます。衣装や小道具に至るまで作品をより魅力的にする秘密が隠されており見れば見るほど奥深い作品です。(ヴォルフガングの赤いコートの秘密には思わずぞっとしました。ヴォルフガングとコンスタンツェのチョーカーの意味って?) お時間のある方はぜひ劇場に足をお運びください!(杉下)
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#モーツァルト #帝国劇場 #東宝 #ミュージカル #山崎育三郎 #古川雄大 #平野綾 #生田絵梨花 #木下晴香 #市村正親 #和音美桜 #山口祐一郎 #涼風真世 #香寿たつき #小池修一郎 #観劇 #劇評 #舞台 #レビュー #nesta
2018.5.10 14:00 
新国立劇場『1984』@新国立劇場 小劇場
------ ジョージ・オーウェル原作の小説を舞台化した作品。監視社会、文書保存、洗脳、他者への/他者からの信頼なんかのテーマが幾層にも絡まり合っていた。姿の見えない「ビッグブラザー」はひょっとしたら自分たちが首を絞めあって作り上げてしまった幻想にも思えてくる。パネルを操り、映像を駆使した演出も見てて小気味よかった。ニューヨーク版は拷問シーンが凄すぎて体調崩す客が多かったとのことだけど日本版は具体的描写は少なく、でも充分恐怖を与えられる形になっていた。『赤道の下のマクベス』にしろ『1984』にしろ、こうしたいわゆる「攻めてる」作品が国立の劇場で上演されるということはかすかな希望だし、諦めたらいけないと思わされる。『1984』のような社会はもうそこまで迫っているかもしれないし、ひょっとしたらもう飲み込まれているかもしれない。(石本)

#1984 #新国立劇場 #演劇 #舞台 #観劇 #レビュー #劇評 #井上芳雄
ふじのくに⇄せかい演劇祭

2018.4.30
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11:00
『リチャード三世 〜道化たちの醒めない悪夢〜』@舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」
リチャード三世を2人芝居で演じるこの作品。リチャード三世は言わずと知れたシェイクスピアの名作。周りの人間を手玉に取り、王座を手に入れるリチャード三世。しかし最後は挙兵され、その座を追われ死に追いやられることとなる。2時間強、出演者2人のみで上演されたこの作品。戯曲も手が加えられ、実にわかりやすい構成となっていた。トリッキーな仕掛けがたくさんの舞台美術と観客参加コーナーもあり飽きさせない。シェイクスピアっておもしろい、そう再認識させられる上演だった。 -----
14:30
『民衆の敵』@静岡芸術劇場 『人形の家』などで知られるイプセンが1882年に書いた戯曲。民主主義とは、正義とはなにかを公害問題を告発しようとする科学者と議員・マスコミとの対立を通して描いたこの作品。激しいセリフの応酬と熱のこもったスピーチで圧倒された。なにを考え、どう生きていくべきか、そんな課題を与えられたような作品だった。優れた作品は普遍性を持ち、何年先でも私たちに思考の機会を与えてくれる。 -----
18:15
『寿歌』@舞台芸術公園 野外劇場「有度」
SPAC芸術監督・宮城總が北村想の傑作戯曲を演出。核戦争後の世界を放浪しながら歩く3人の物語。生きてゆくこと、死ぬこと、そして死んだらどこへ行くのか(あるいは蘇るのか)、誠実さ、真っ正直さ、あるゆる要素が詰め込まれたこの戯曲を軽やかに俳優達は演じていた。次第に夕闇が色濃くなっていくロケーションが、3人の行く末を、世界を現しているようでたまらなく素敵だった。 -----
20:30
『夢と錯乱』@舞台芸術公園 野外ホール『楕円堂」

クロード・レジの最終演出作。ほとんど照明のつかない暗闇で男が一人語りをしている。そこに見えているのは夢なのか現実なのか、境界線が次第に溶けてゆく。どこに連れていかれてしまうのだろうか、そんな恐怖を感じながらの観劇だった。

ふじのくに⇄せかい演劇祭はいまや日本の代表とも言うべき演劇祭だと改めて感じた。ここに来れば好みはあれどおもしろい作品に出会えるということは間違いない。GW後半もふじのくに⇄せかい演劇祭は多くの演目が残っている。ぜひ足を運んで、新しい世界を見つけるような観劇体験をしてほしいと思う。(石本)

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